Student’s Column「大豆6兄弟さーいきょう!」

私たちは大豆と枝豆になった。福島県にある相馬市飯豊小学校の3年生に、大豆や枝豆について分かりやすく伝えるためと、私たちと小学生との距離を縮めるためだ。1年の中で3回に分かれて、食育を行った。私はそのうち3回すべて行った。

1回目は6月8日に大豆についての勉強、2回目は8月24日に枝豆を収穫して調理をした。そして、3回目は12月1日に大豆を収穫して、脱穀、そして道の駅で大豆がどんな加工品になっているかを見学した。1回目の時に「大豆3兄弟」として、小学生たちの前で挨拶をした。それが小学生たちにとても好評だった。帰るときには小学生たちが写真を撮りたいと言ってきて、みんなが写真を撮ってきた。ちょっとした有名人になった気分だった。そして授業では、大豆のクイズなどをして楽しく学んだ。小学生たちは反応が良くて驚いた。私が小学生の頃はここまで元気はなく、反応も悪かったので今の小学生を尊敬してしまった。

2回目に行ったときは、暑い中で枝豆の収穫をして、カリカリ揚げ、ずんだシェイクを作った。調理は、郡山女子大学の郡司先生と学生たちと一緒に作った。みんな暑さに負けずに楽しそうに収穫や、調理を行っていた。カリカリ揚げも一緒に作ったが、私よりも小学生のほうが作るのも上手だったし早かった。ずんだシェイクは、炎天下の中で枝豆収穫、調理をしたので体に沁みた。2回目は枝豆兄弟として、学生6人で参加した。1回目の大豆3兄弟が人気だったが、枝豆6兄弟も負けてはいなかった。被っていた枝豆のお面を欲しいといわれたので、じゃんけん大会を行った。とても盛り上がり、企画した私たちもとても楽しかった。

寒空の中での3回目は、飯豊ファームさんで大豆の収穫と脱穀を手作業で行ってから、その2つの作業をしてくれるコンバインを見せてもらった。そして、大きな機械で大豆の選別や調製をするところも見学した。最後には、道の駅で、大豆が味噌や醤油に加工されていることを見学した。大豆の収穫の時、小学生みんながやる気で、たくさん収穫できた。小学生に聞いたところ、負けず嫌いな子が多いそうだ。大豆の葉っぱが枯れていて素手で掴む時痛いし、寒さで手がかじかんでいる中、小学生はどんどん引っこ抜いていく。そんなに持てないだろ、と私が思うくらいいっぱいの大豆を運んでいる姿を見て、笑顔になってしまう。脱穀をするときには、学生がサヤから大豆の取り出し方を教えて班に分かれて、どの班が多く実をとれるか勝負をした。みんな黙々と作業をして真剣な表情だった。私が少し手伝っているとほかの班の人から「不正だ!」など怒られてしまった。それらの作業をコンバインでできることや、コンバイン自体の大きさを小学生全員がまじまじと見ていた。道の駅では、相馬市で作られていて、農林水産大臣賞を受賞したヤマブンさんの味噌や醤油を見た。地元でこんな賞をとれる会社があることが誇らしいと思うし、知らなかった人でも知るきっかけになったと思うからとてもいい機会だったのではないかと感じた。私もヤマブンの醤油を使った海鮮丼を浜の駅で食べたが、とてもおいしかった。大豆3兄弟も今回で最後なので、学生4人だったが気合が入っていた。3回目だったので、私を覚えてくれている人もいた。1番驚いたことは、小学校の学習発表会で3年生が、大豆6兄弟として発表していたことだ。ここまで、大豆兄弟で3回やってきたが、小学生たちにこんなに響いていたのは続けてきた甲斐があったと感じた。私たちに「大豆6兄弟さーいきょう!」と、大きな声で大豆6兄弟を見せてくれた時に、私は本当に嬉しかった。この嬉しさは3回すべて行っている私にしか分からないもと思っている。

全3回の食育に参加したが、3回とも亀屋旅館に泊まった。ここで亀屋旅館の魅力について語りたいと思う。3つあり、1つ目は料理がおいしいことだ。夕食と朝食を3回ずつ、計6回食事したのだが、どれもおいしいのだ。夕食は毎回魚料理が出てくる。私は一人暮らしをしているので、魚を食べる機会がほぼない。また、毎回違う魚料理というのも嬉しかった。2つ目は、居心地がいい雰囲気だ。旅館なので和風な感じで、部屋も畳の匂いがして落ち着く。そして3つ目は景色が良いことだ。私は2階の部屋に泊まっていたが、そこからは海が見える。海をあまり見る機会がない私からすれば新鮮で、朝窓を開けると海の香りを感じることができる。また泊まる機会があったらぜひとも泊まりたい。

今回の相馬の食育活動を通して、私は3年生と一緒に大豆を学んだ。大豆についてもあまり知らなかったが、回数を重ねていくごとに体験と学びも増えていった。また小学生も座学だけでなく、実際に大豆が成長していく過程を見ながらの学習だったので、楽しみながらできたのではないかと思う。この食育をきっかけに、食についてより学びを深めていってほしい。

(国際バイオビジネス学科 マーケティング研究室 3年)