東京農大東日本支援プロジェクトは、2011年3月11日に発生した東日本大震災と原子力事故をきっかけとして始まった学内プロジェクトです。現在は、東京農業大学世田谷キャンパスの教員7名が研究と教育に取り組んでいます。

活動内容

高校生向け「農学サマースクール」

農学サマースクールは、高校生を対象とした人材育成事業です。初日は東日本支援プロジェクトの教員がそれぞれ専門分野のフィールドワークを行い、2日目はフィールドワークの結果を集まって発表する2日間のプログラムです。相双地区には大学がないため、高校生にとっては大学生と交流する機会となっています。このイベントに参加した高校生が東京農業大学に入学する例も出てきています。

義務教育世代を対象とした人材育成事業として、小学生を対象とした食育事業を行っています。小学生にとって、津波被災地で展開される大規模な経営は生まれたときからそこにあったものです。そこで取れる米や麦、大豆がどのようにして自分たちの食卓に並ぶか、ということを知ってほしいという思いで行っている事業です。
飯豊ファームの協力を得ながら、大豆を播き、枝豆での収穫と調理、大豆としての収穫と、年3回実施しています。2023年からは「復興知」事業を共に受けている郡山女子大学の郡司尚子先生のご協力を得て、枝豆の調理を行っています。

農業者を対象とした人材育成事業です。農業経営と6次産業化を中心として、農業経営の高度化をめざして行っています。セミナーの特徴は、東京農業大学の学生がともに学ぶ機会となっていること。グループワークで学生から聞き手となって農業者にインタビューをし、経営を見直すなどの取組を進めています。
このセミナーに参加していただいた農業者が6次産業化に取り組み、事例を発表した例もあります。

東日本支援プロジェクトを進める上で重要だと考えているのが、この活動報告会です。農業者や地域の皆様に対して、私どもの取組を説明させていただく機会です。
近年は、JAふくしま未来様のご協力により相馬中村営農センターを会場としてたくさんのお客様をお迎えして実施しています。
プロジェクトの取組の内容、各教員の研究の報告のほか、アグリビジネス学科の「商品企画演習」での相馬産原料を活用した加工品のアイディアコンテストを実施して、来場者の皆様に投票をお願いしています。

研究

東京農大東日本支援プロジェクトでは、農業復興支援のための研究活動を行っています。各分野での研究成果をご紹介します。