「相馬里醤」開発ストーリー

1. 被災農地と大豆の活用の模索

東日本大震災の津波被災農地は、「そうま農大方式」によって復興を進めてまいりました。そうして営農が再開できるなか、あらたに農業法人が設立され、大規模な経営を展開しています。
相馬市の海岸沿いの広い農地は、米・麦・大豆を中心とした作付けが行われています。そこで生産される大豆で何かできないか、という思いから、私どものプロジェクトでは、2023年から、地元産大豆を活用するため、飯豊ファーム・JAふくしま未来・武陽食品・山形屋商店と、生産から流通、加工に関わる方々にお集まりいただき、議論を重ねてまいりました。
この津波被災地で生産される大豆は、飯豊小学校の皆さんとの食育の取り組みにもつながっています。
相馬市で生産される大豆は、〈里のほほえみ〉という品種です。この大豆はタンパク質含量が高く、醤油への適性が高いことも試験醸造を通じて明らかになりました。
私どものプロジェクトでは、東京農業大学アグリビジネス学科のマーケティング研究室半杭ゼミが中心となり、相馬の一次産品のブランド化を研究しています。首都圏でのリサーチから、国産だけでなく、相馬産という原料表示や、農林水産大臣賞のような受賞歴も、消費者の購買意思決定に繋がることもわかってきています。

相馬里醤

2. 醤油の商品開発

おいしい醤油ができることが明らかになったことを受け、それを消費者に伝える商品としてのネーミングや、既存の商品との区別のできるパッケージデザインを行う必要があります。
東京農業大学のアグリビジネス学科の学生で、福島県での農業実習に参加した有志がデザインを担当することになりました。
相馬には縁のない学生だからこそ、相馬のことを知ることが重要だと考え、山形屋商店の醤油をはじめとするさまざまな醤油の試飲や、相馬を訪問して飯豊ファームや山形屋商店でお話を伺いました。
そうしてデザインの案を作成し、相馬の皆さんに評価していただくコンペティション方式で、選んでいただいたのが「相馬里醤」です。
おいしい醤油が、できました。たくさんの方にお手に取っていただければと思います。

山形屋商店で製造のヒアリング
山形屋商店で製造のヒアリング
飯豊ファームで生産のヒアリング
飯豊ファームで生産のヒアリング
試飲を通じて商品の戦略を練る
試飲を通じて商品の戦略を練る
相馬市でのコンペ1
相馬市でのコンペ
相馬市でのコンペ2
相馬市でのコンペ
相馬市でのコンペ
浜焼き
浜焼き
浜焼き
浜焼き
相馬中村神社
相馬中村神社
ジェラート
ジェラート