Student’s Column「農学サマースクール2023に参加して」

8月1日から2日にかけて福島県相馬市で開催された、高校生向けの農学サマースクールに参加しました。相馬市は、東日本大震災による津波の被害を受けた後、農地をすきこんで製鋼スラグを添加することで除塩をする、「そうま農大方式」で農地復興を行った唯一の場所です。私は、土壌肥料学研究室の学生として、高校生のサポートをしました。
1日目は大豆水田転換畑でフィールドワークを行いました。午前中は、土壌断面調査として、地面を掘った後、深さの違う場所から土を取り出し、色や感触を調べ、化学性を試験紙などで確かめました。土の養分や塩類濃度は、作物の生育に問題ない値を示し、農地復興できていることを実感しました。午後は生産環境工学科が主体となって、ドローンの操縦体験が行われました。操縦の難しさに戸惑いながらも楽しんでいる高校生が多く、農業に対する関心が高くなる経験となったのではないかと思います。私自身も、工学に触れることがなかったので、同じ農地というフィールドでも違う視点から農業発展に取り組む分野があることを認識する良い機会となりました。2日目は、1日目に学んだことを地域の方々に発表しました。今年は参加者が多く、議論もしながらスライドを作成し、発表をまとめました。発表後には、地域の方からご意見もいただきました。
この二日間で、熱心に取り組む高校生に刺激を受けるとともに、教えること、興味を持ってもらうことの難しさを学びました。参加してくれた高校生たちが、サマースクールでやったことを少しでも覚えてくれていたら幸いです。


(農芸化学科 土壌肥料学研究室 4年)